本日7月15日(水)、東京芸術劇場 プレイハウスにて、舞台『NORA』が開幕いたしました。
19世紀末の初演から今日まで世界各国で上演されるヘンリック・イプセンの『人形の家』を、いまヨーロッパで最も注目を集める演出家の一人であるティモフェイ・クリャービンが、大胆に現代風にアレンジする本作『NORA』。
クリャービンはイプセンが創出した会話劇を、メッセージアプリでテキストを送り合う“今ならでは”のコミュニケーションで表現。セリフの8割は物語の登場人物たちの手元のスマートフォンを用いてやりとりされ、そのスマホの画面はリアルタイムで舞台上に映し出されます。
この斬新な演出に挑むのは、タイトルロールのノラ役の黒木華、ノラの夫・ヘルメル役の勝地涼、ノラの友人クリスティーン役の瀧内公美、ノラを追い詰めるクログスタ役の鈴木浩介という人気も実力も兼ね備えた俳優陣が集結し、ティモフェイと共に、現代版『人形の家』を創造いたします。












撮影:後藤敦司
【出演者コメント】
黒木 華 [ノラ 役]
いよいよ『NORA』の幕が開きます。
ティモフェイ・クリャービンさんの演出によって、イプセンの『人形の家』が現代ならではの表現で新たな息吹をまといました。長く愛され続けてきたこの物語が、今を生きる私たちにどう響くのか。そして皆さまがどんな思いを受け取ってくださるのか、私自身とても楽しみにしています。劇場でお待ちしております。
勝地 涼 [ヘルメル 役]
いよいよ開幕です。
「人形の家」をスマートフォン上のやり取りで描く舞台。僕たちも未知の体験にワクワクしながら稽古しました。
みなさんもきっと初めての演劇体験になると思います。
夏にクリスマスの物語。
劇場を出た時に余韻を感じられる舞台になっているので是非お楽しみください。
瀧内公美 [クリスティーン 役]
この作品は、これまでヨーロッパ2カ国で上演されているのですが、最初にブルガリアでの公演をスマホで見た時、”演劇”という概念が覆されるような衝撃を受けました。
「アート性の高い作品」というと、ざっくりとした表現になりますが、この形態で演劇を立ち上げる試みを非常に面白く思っています。
視覚的には情報量が多く、不思議な感覚に誘われる作品に仕上がっています。
お客さまからどんな反響をいただけるのか、楽しみでなりません。
スマホと格闘しながら、頑張ります!(笑)
鈴木浩介 [クログスタ 役]
ティモフェイの演出が何を大切にし、どのような意図で生まれたのか、そのすべてを自分自身が完全に理解できているわけではありません。だからこそ、この作品は観客の皆さんにご覧いただいて初めて完成するものだと感じています。皆さんがどのように受け止め、どんな答えを見つけてくださるのか。その答え合わせができることを、今からとても楽しみにしています。
近代劇の“古典”が今を生きる我々の物語に。
ヨーロッパ各国の演劇フェスティバルで活躍する演出家のティモフェイ・クリャービンが手掛ける『人形の家』。
そのキーアイテムは……「スマホ」?
タイトルの『NORA』は傑作古典と名高い『人形の家』(原題:The Doll House 作:ヘンリック・イプセン)の主人公「ノラ」の名前に由来しています。1879年ノルウェーで生まれたイプセンの『人形の家』は「父権的な家庭からの脱却」や「女性の自立」を描いた先駆的な作品で、現代のトロフィーワイフ的な扱いを受けるノラがあることをきっかけに夫・ヘルメルの元から離れていく物語です。(注…トロフィーワイフ/Trophy wife:社会的、経済的に成功した男性が自らのステータスを誇示するために結婚した若く容姿端麗な女性を指す)
19世紀末の初演から今日まで世界各国で上演されている『人形の家』を大胆に現代風にアレンジした演出で魅せるのはヨーロッパで最も注目を集める演出家のティモフェイ・クリャービンです。抒情的でありながら、人間の深奥にぐさりと切りこむシャープな演出は世界中の演劇ファンを虜にしており、彼が演出した『三人姉妹』(作:アントン・チェーホフ)は全編が手話で演じられ、上演されるやいなや注目を集め、ロシアで最も権威ある演劇賞を受賞し、ヨーロッパ各国の芸術祭で大きな話題となりました。 東京芸術劇場は2019年に『三人姉妹』を東京芸術祭にてプレイハウスで上演し、そのストイックな演出は見る側に大きな衝撃と感動を与えました。
この度、すでに各国で大評判である彼の代表作『NORA』を日本人の俳優と共に上演することが決定しました。“古典”と呼ばれるこの会話劇をクリャービンは大胆にメッセンジャーやフェイスタイムというSNSでテキストを送り合う“今ならでは”のコミュニケーションで表現をすること決めました。セリフの8割は物語の登場人物たちが手元のスマートフォンを用いてやりとりします。登場人物らが打つスマホの画面はリアルタイムで舞台上にあるスクリーンに映し出されます。
私たちのスマホに届くメッセージはどういう状況で相手から送られてきたのか。普段は決して見ることが出来ない「相手側の生活」を垣間見た時に、『人形の家』=『NORA』は今を生きる我々の物語だと思うかもしれません。
主人公・ノラ役には黒木華、さらに名実兼ね揃えた豪華キャストが作り上げる日本版『NORA』
タイトルロールであり主人公のノラを演じるのはドラマ・舞台・映画とジャンルを問わず活躍する黒木華。2014年に、映画『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭・最優秀女優賞(銀熊賞)を日本人歴代最年少(当時23歳)で受賞。今年4月~6月に放送されたドラマ『銀河の一票』では、選挙参謀として政治の素人をスカウトして都知事選に挑む政治家の秘書という難解な役どころを熱演した彼女が表現する、新たなノラ(NORA)にご期待ください。
さらに、ノラの人生を翻弄するキャラクターは人気も実力も兼ね揃えたみなさまにご出演頂くことになりました。銀行の頭取にまで上り詰めるも妻をお人形扱いする残念な夫ヘルメルを演じる勝地涼、みじめな境遇から抜け出すために足掻くもうまくいかないノラの友人クリスティーンを瀧内公美、さらに、とある秘密を武器にネチネチと執拗にノラを追い詰めるクログスタを鈴木浩介が演じます。
東京芸術劇場がお届けする古典作品『NORA』にご期待ください。
【あらすじ】
ノラは夫・ヘルメルと仲睦まじく暮らしている。
献身的に夫を支えるノラと、彼女に対し優しく寛大に接し、年明けから銀行の頭取に着任することも決まっているヘルメルの間には、幼い子供たちもおり、誰から見ても幸せで理想的な生活を送っていた。
しかしノラには夫には言えない秘密があった。
クリスマスを控えたある日。
ノラのもとにクログスタからメッセージが届く。
ヘルメルの部下であるクログスタは、過去に犯した過ちのせいで評判が悪く、ヘルメルの頭取就任とともに解雇される運命にあった。
代わりにクログスタのポジションに就くのは、ノラの古い友人で夫と死別したクリスティーンだ。
追い詰められたクログスタは、かつてノラが彼を頼って作った「借り」を盾に取り、彼女に脅迫まがいのメッセージを送ったのだ。
三分割されたステージと、四つのスマートフォン画面を介して錯綜する思惑。
それは「罪」なのか。真の幸福とはなんなのか。
【演出】
ティモフェイ・クリャービン Timofey KULYABIN
1984年、ロシア連邦ウドムルド共和国の首都イジェフスクで生まれ。2009年からはオペラ演出も手がけ、2014年のワーグナー『タンホイザー』では、その斬新で過激な演出がロシアの宗教界を刺激し国内で議論の的となる。2015年以降、ノヴォシビルスク州立劇場レッドトーチ・シアターで主任演出家(芸術監督)を務め、同劇場ではシェイクスピア『マクベス』、イプセン『ヘッダ・ガブラー』、プーシキン『オネーギン』、カフカ『審判』などを演出。チェーホフ、イプセン、プーシキン、ゴーゴリ、ストリンドベリなど古典作家の過激で現代的な解釈で知られる。2022年、ロシアによるウクライナ侵攻に対して反戦を表明。レッドトーチ・シアターの芸術監督を辞任。現在はドイツを拠点にヨーロッパで最も注目されている演出家の一人として活躍を続けている。
Timofey KULYABIN(ティモフェイ・クリャービン)氏に代わり、
●『NORA』ドラマターグ:Roman DOLZHANSKIY(ロマン・ドルジャンスキー)氏からのメッセージ
演劇の基盤は、俳優が戯曲中のせりふをイントネーションや声のボリューム、表情を変えながら交互にやりとりすることだが、今では急激に古めかしいものになってきている。その答えは簡単で世界が変わっている、もとい、人々がコミュニケーションを取る方法がものすごいスピードで変化しているからである。この15年の間にWhatsApp, Instagram, Viber, TikTok、その他様々なメッセージをやりとりするSNSが表れ、そして発展したことが根本的に関連している。コミュニケーションは今では多くのレベルで、しかも全く違うフォーマットで行うことが出来る。
恐らくこのコミュニケーションツールの発展は個々の国で、それぞれのやり方で広がっていることだけれども、世界的な流行であることは明らかだ。SNSはただのコミュニケーションのツールではなく、世の中の雰囲気を作り上げたり、意図的に操作したり、何かを規制したり、または、政治的な立場を表したりするツールでもある。会話の手段が変わり、言語も変わり、使う言葉も変わった。今は電話をしたり直接会ったりせずに、完全にテキスト上でのやりとりばかりをしている。楽で、双方向のコミュニケーションじゃなく、それゆえに安心だと思うからだ。テキストでのやりとりは日々の生活から切り離せない。
劇場文化は否応なく人生とは切り離せない。だが今日、往々にして劇場が「どんな物語」を上演しているかはさほど重要ではない。最も重要なことは「どんな風」に語られているか、私たちはヘンリック・イプセンによって150年前に書かれたストーリー(『人形の家』)を現代ならではのコミュニケーション言語で上演することを決めた。ヴァーチャルリアリティー(仮想現実)上で繰り広げられる生活は実際の生活と裏表一体で、大抵は完全に一致しなければ、全く相反することもない。最も正確に描かれた「その人の人物画」はスマートフォンの画面に現れる。
【公演概要】
公演名 NORA
原作 『人形の家』 ヘンリック・イプセン
演出 ティモフェイ・クリャービン
出演 黒木華 勝地涼 瀧内公美 鈴木浩介
石村みか 今井公平 越後静月 大滝樹 小幡貴史 木山廉彬 中野風音
天野叶愛 木根渕凛音 佐々木直輝 滝澤このみ 福元愛悠 師岡結月
特設HP https://nora.geigeki-classics.jp
東京公演
公演日程 2026年7月15日(水)~7月26日(日)
※子役はダブルキャスト出演
天野叶愛・福元愛悠・佐々木直輝
7/15(水)18:00、7/16(木)18:00、7/18(土)12:00、7/19(日)13:00、
7/22(水)12:00・18:00[収録]、7/24(金)13:00、7/25(土)18:00、 8/1(土)13:30[宮城]
木根渕凛音・滝澤このみ・師岡結月
7/16(木)12:00、7/17(金)13:00、7/18(土)18:00、7/21(火)13:00、7/23(木)13:00、 7/25(土)12:00、7/26(日)13:00、8/15(土)17:00[愛知]、8/16(日)13:00[愛知]
会場 東京芸術劇場 プレイハウス
チケット料金 S席:10,500円 S席(前半割/平日夜割):9,000円 A席:7,000円
U25:5,000円 U18:1,000円
販売窓口 東京芸術劇場ボックスオフィス https://www.geigeki.jp/t/
東京芸術劇場ボックスオフィス(窓口・電話) 0570-010-296(休館日を除く 10:00~19:00)
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/geigeki/ セブン-イレブン店舗
イープラス https://eplus.jp/geigeki/ ファミリーマート店舗
ローソンチケット https://l-tike.com/ ローソン・ミニストップ店舗
主催・企画制作 東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
お問合せ 東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296 (休館日を除く10:00~19:00)
<地方公演>
宮城公演
公演日程 2026年8月1日(土) 13:30開演
会場 えずこホール 大ホール
劇場HP https://www.ezuko.com/mirukiku/corner345/2026_02.html
愛知公演
公演日程 2026年8月15日(土) 17:00開演 、 8月16日(日) 13:00公演
会場 春日井市民会館
劇場HP https://www.kasugai-bunka.jp/archives/49627
